引越しトラブルの概要
家族で引越しをした際に、ブラック業者と知らずに契約してしまいました。
関東圏内で名の知れた老舗の引越し業者です。
契約では、午前便・スタッフは最低5人。作業は長くても5時間以内で終わる予定でした。
実際は、お昼にスタッフが1人到着。22時に2人来て3人で作業。新居へ搬入終了したのが日付変わった3時。
冬の寒い雨の日に、来るのか来ないのかわからない状況で、エアコンもない寒い部屋で何時間も待たされ、明け方近くまでかかった上に家具、電化製品の破損、新居の室内の傷などさんざんたるものでした。
本社の対応はとてもひどいもので、電話しても前の引越しが遅れてるの一点張りで最後は居留守。
後日、連絡しても無視、引き延ばしで最後は音信不通。
その後、消費者センターにも相談し、トラック協会を通して引越業者の常務と連絡も取り合いましたがどうにもならず、弁護士に相談し、本人訴訟で裁判をしました。
裁判当日、被告は連絡もなく欠席。証拠が揃っているのでもちろん私の勝訴です。
損害賠償請求が通り、強制執行したものの、業者のメインバンクの口座にはお金がなくて差押えできませんでした。
数日後、本社の者だと名乗る女性からお詫びの電話があり、口座に損害賠償金が振り込まれ、この事件は終了しました。
引越しトラブル事件の流れ
2017年 2月13日 |
K引越しセンターと契約(東京都〇区内での引越し) |
3月 6日 ~7日 |
引越し当日。午前便の予定で8時から待機 12:00 スタッフ1名で作業開始 22:00 スタッフ3名で作業開始(契約は最低5名) 3:00 日付変わり、3時に新居へ搬入終了 ※家具、電化製品の傷、ドアの破損、家具部品の紛失など多数見つかる |
4月 | 弁償の方向で話をしたが、担当部署からの連絡をが来ない。 連絡がつかなくなる。 |
5月 | 消費者センターに相談。間に入って対応してくれることになる。 消費者センターからK引越しセンターに連絡するが、折り返し・担当者不在などが続く。一方、我が家にはK引越しセンターからお詫びの手紙とクオカード500円×2枚が届く。記載の電話番号にかけると、使われていない番号だった。 連絡は相変わらずつかないまま。 |
6月 ~7月 |
消費者センターが引越しKセンター営業担当と連絡がついたが、よくあることだと開き直られて話にならない。 担当部署とは相変わらず連絡がつかない。 |
8月 | 消費者センターが、トラック協会に連絡をして、K引越しセンターの常務Mと連絡が取れた。 弁償の約束をして、お客様担当Tを紹介されてやりとりすることになる。 |
9月 | お客様担当Tに話を引き延ばされたり連絡がつかなかったりで1ヶ月以上経過。 |
10月 | 担当Tが音信不通になる。 連絡をすると、担当Tは異動で後任未定。担当部署は全員お休みとふざけた対応。 訴訟を決意する。弁護士に相談しながら訴状作成。 |
11月 | 東京簡易裁判所へ訴訟の申し立てをする(訴状提出) |
12月 | 第一回口頭弁論が2018年1月15日に決定 |
2018年 1月15日 |
第一回口頭弁論当日。被告は欠席(連絡もなし) |
2月19日 | 判決が出る。原告の勝訴 |
3月28日 | 強制執行手続きを申し立てる |
4月4日 | 被告の口座に残高がないと銀行から連絡 |
4月6日 | K引越しセンターから連絡があり、損害賠償金が振り込まれた。 事件終了。 引越しの日から、1年と1ヶ月。 |
他にも被害者がいる。そして今も
相談していた消費者センターには、この業者と契約して同様の被害の相談が他にも数組いました。
他の相談者さんたちと一緒になって引越し業者と話できないかと思いましたが、消費者センターでは他の方の連絡先なんてもちろん教えてくれません。
ネットで検索すると、被害にあった人が、口コミやツイートをしていて、やはり同じような被害内容でした。本社の対応まで同じです。
恐らく、訴えたのは私だけだと思います。弁護士費用の方が高くつくのであきらめるのがほとんどではないでしょうか。
私は、身内に弁護士がいて相談できたので、自分でできましたが、素人がやるのは本当に大変です。労力と時間を考えると、あきらめた方がましだと普通思うでしょう。
なぜブラック引越し業者は野放し?
客が苦情を言っても無視→訴えても無視→裁判も欠席→強制執行でやっと弁償。
民事事件で損害賠償請求されただけで、罰せられるわけではないのですから無視してるんですね。
これが飲食店なら、ネットで大炎上してお客さんが来なくなります。つぶれる可能性大です。
引越し業社は口コミで叩かれても、ツイッターでつぶやかれても炎上しません。
口コミする人なんて氷山の一角でしょう。
ひどい目に遭った人は泣き寝入りです。もう利用しない。それで終わり。
驚いたのは、引っ越しシーズンのニュース映像で、この業者の作業風景が取り上げられていたことです。
一生懸命作業するスタッフの映像は、好印象で宣伝になったことでしょう。
マスコミにこそブラックな事実を取り上げて欲しいのに、なんだか悔しかったです。
だから私は訴えた
被害者がたくさんいるのにブラック業者は通常営業。野放しの状態です。
私が訴訟を起こすことによって、この業者が改めるのではないかとも思ったのですが、残念ながら、その後も悪い口コミを見るので、何も改善されていないのでしょう。
被害に遭っても、お金がないと弁護士に依頼できません。
弁護士に依頼できないなら、泣き寝入りするかしないかということになります。
被害金額が小さいからって、辛さも小さいわけではないのです!!
私は、自分の裁判は勝ったけれど、これで終わったと思えませんでした。
嫌なことはさっさと忘れた方が楽と言いますが、無理でした。
こんな理不尽なことがなくなって欲しいのと、「本人訴訟」という方法があることだけでも知って欲しいので、当時のことを思い出しながらブログを書いています。
※引っ越し当日から事件終結までの記録は「はてなブログ」をご覧ください!
【実録】引越しトラブル裁判