トラブルに遭ったり何か被害を受けた時などに「弁護士に内容証明を出してもらうと良い」と聞いたことがありませんか?
ここで言う「内容証明」というのは、「相手に対して何か請求する内容の文書」を送るということを指しています。
目次
内容証明郵便って何?
内容証明郵便とは、いつ、誰が、どんな内容の文書を、誰に送ったのかを証明する、郵便局のサービスです。
どんな時に利用するの?
支払いの請求(慰謝料・損害賠償・債権など)や、契約解除通知、クーリングオフなどによく使われます。
内容証明郵便で文書を送ると、内容や配達日時が郵便局に記録されます。
自分が送ったということ、相手が受け取ったということが記録されているので、「請求をした」「催促をした」「意思をちゃんと伝えた」という証拠になります。
相手に、「受け取ってない」とか「読んでない」などと言わせないために内容証明郵便を使うのです。
内容証明の効力
内容証明郵便自体には、法的効力や強制力はありません。
ですが、内容や日付などが郵便局で記録されているので、きちんとした「証拠」になります。
弁護士に依頼する場合
内容証明を送るということは、何らかの法的な意思表示をすることが多いため、弁護士に代理人として作成・送付してもらうことができます。
訴訟前提と意識して真剣に受け止め、対応が変わってくることから、弁護士に依頼した方が効果的だと言われています。
弁護士に依頼する文書作成の費用の相場
- 作成のみ:3万~5万円 (自分の名前で送付)
- 作成+代理人: 5万~10万円 (弁護士名で送付)
※ケースによっては、文書作成のみは受けてくれないことも
自分で作成する場合
もちろん、自分で作成して送ることも可能ですが、文字数の制限をはじめ、色々な決まりごとがあるので、それらをきちんと守った上で作成しなければなりません。
また、言葉の言い回しなど注意しなければならないことがあります。特に訴訟を前提として送るような場合や、支払い請求などは要注意です。
後に裁判になったときに不利になることがあるかもしれません。
例えば、「やめないと~するぞ。」とか、「返さないと会社に言う」などと言ってしまうと、脅してる受け取られてしまうこともあります。
下手すると恐喝罪、脅迫罪で逆に訴えられちゃいます。
インターネットで内容証明郵便が送れる
私は「e内容証明」というサービスを利用しました。
Wordファイルで作成した文書を、インターネットでアップロードすると、郵便局で印刷・照合・封入・封かんをして発送してくれるという、なんとも便利なサービスです。
便利な上にお値段もお得です。紙も封筒も不要です。
例)内容証明文書3枚(約1500文字)を窓口で出すと1462円
e内容証明だと、同じ文字数で1200円と263円の差。
文書も1枚におさまるので、すっきりまとまります。
詳しくはこちらから↓
自分で内容証明を作成した感想
私は最初、e内容証明のことを知らずに、文字数を一生懸命数えながら書いていました。この文字数のカウントが本当に面倒なんです。
PCで完結するのがうれしいですよね。窓口だと時間もかかるし、何よりもインターネットの方が気持ち的に楽でした。
私が作成した内容証明(近隣トラブル)
私が作成したのは、「嫌がらせ行為に対する差し止め要求通知書」という文書で、近隣住民からの騒音、嫌がらせの迷惑行為に対してのものです。
内容は・・・
- これまでの経緯
- 実際に嫌がらせを受けている被害状況
- 即刻中止の要求
- 謝罪文の提出
- 迷惑行為の慰謝料請求
これらを明確に文字にしました。そして期限を提示し、期限までに回答もない場合は法的措置をとると予告をしました。
脅しにならないように、とにかく言い回しには気を付けています。
また、これまでの経緯や相手の行った嫌がらせ行為など、お互いにわかりきっていることもわざわざ書きました。それは、証拠を作る(残す)ためです。(文書にすることで後に立派な証拠となりました。)
内容証明を送付した後、相手からすぐに謝罪の手紙が来ました。消印からすると、恐らく手紙を受け取った当日に出したと思われます。
全面的に非を認め、二度としないという内容でした。
これで一件落着と思いきや、その後も嫌がらせは続きます。「何もやっていない」と嘘をつきますが、私へ謝罪の手紙を出したということは、やったことを認めているので、書面のおかげで嘘だということは明らかになりました。
裁判では、私が送った内容証明と相手からの謝罪の手紙が「迷惑行為が実際にあった」という揺るがない証拠となったのでした。
第三者に判断してもらうためにも証拠は必要です。
この内容証明の手紙のやり取りは本当に役に立ちました。
最後に
自分で手紙を書くのは、言い回しなど文章を考えるのも大変だし、気を使って丁寧にお願いしても相手には全く響かないこともあります。
どうせ手紙を送るなら、しっかりとした文書の内容証明を利用して意思表示した方が、こちらの本気度が伝わるのではないでしょうか。